ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例29】 年の中途で就任した役員の事前確定届出給与
事例

当社(年1回3月決算)は、毎年5月末の定時株主総会直後の取締役会で、取締役の毎月の役員報酬と6月と12月の確定給与を支給する旨を決議し、確定給与については、事前確定届出給与の届出を適正に行なっています。
本年の手続きも終了した後、8月1日より新たな取締役が臨時株主総会の決議を経て就任しました。また、臨時株主総会直後の取締役会で、新任の取締役にも、12月にほかの取締役と同額の確定給与を支払う旨の決議をしました。
この場合、12月に新任の取締役に支払う確定給与は、事前確定届出給与として損金算入が認められるのでしょうか。

結論

新任の取締役が就任した日から1か月以内に、事前確定届出給与に関する届出書と付表(事前確定届出給与等の状況)を記入し所轄税務署長に届け出ることにより、損金算入が認められます。

解説

事業年度の途中で新たに役員に就任することは、役員の職制上の地位の変更であり臨時改定事由に該当すると解されます。  したがって、新任の取締役が就任した日(8月1日)から1か月以内(8月31日まで)に、事前確定届出給与に関する届出書(図A参照)と付表(事前確定届出給与等の状況、図B参照)を記入し所轄税務署長に届け出ることにより、金額が過大な部分を除き損金算入が認められます。
事前確定届出給与に関する届出書
付表 事前確定届出給与等の状況