ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例22】 事前確定届出給与と定期同額給与
事例

当社(年1回3月決算)は、平成23年5月26日の定時株主総会で、代表取締役佐野一郎の役員報酬を毎月50万円の定額給と、6月10日と12月10日に各30万円上乗せして報酬を支払うことを決議し、事前確定届出給与の届出をしようと考えています。
前期までは、定期同額給与の範囲内で役員報酬を決めてきたので、事前確定届出給与の届出は今回が初めてですが、今回の佐野一郎の役員報酬のどの部分を事前確定届出給与として届け出ればよいのでしょうか。

結論

6月10日と12月10日の各30万円の報酬部分を事前確定届出給与として届け出ることになります。

解説

この事例を図示すると下図のようになります。
定期同額給与と事前確定届出給与
上図のとおり、毎月50万円の定額給部分に関しては定期同額給与の規定を満たしているため、事前確定届出給与の範疇には入りません。したがって、事前確定届出給与として届け出るのは、6月10日と12月10日の各30万円の上乗せ報酬部分のみとなります。

実際の届出は、図Aの「事前確定届出給与に関する届出書」と図Bの「付表(事前確定届出給与等の状況)」を記入し、所轄税務署長に届け出ることになります。また、届出に際しては、事前確定届出給与を支給することを決議した定時株主総会の議事録を添付します。
事前確定届出給与として届け出るのは、上記のとおり6月10日と12月10日の各30万円だけですが、図Bの付表の中の「事前確定届出給与以外の給与に関する事項」欄には、毎月50万円の定期同額給与に該当する給与に関しても記入することになります。
事前確定届出給与に関する届出書
付表 事前確定届出給与等の状況