ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例20】 会社設立時の役員報酬
事例

当社(年1回3月決算)は、本年6月1日に設立をした会社です。設立当初は雑務に追われ、予定していた営業活動もスムーズに行なうことができず、設立時に決議した役員報酬(月額20万円)を支払うような状況ではなく、未払いが続いていました。しかし、10月になり、役員報酬支払いの目途が立ち、10月以降、9月までの未払い分も含めて支給していこうと考えています。
以上のような場合に、当社の役員報酬は定期同額給与として扱われるでしょうか。

結論

定期同額給与として取り扱われます。

解説

この事例は、設立時に売上が思うようには伸びずに、しばらくの間決議した役員報酬が未払いとなってしまうことが定期同額給与に該当しなくなるのではないか、という点がポイントとなります。
大企業が分社化をして設立したような会社や、個人事業である程度の売上の見込みが立つ状況での法人成りならともかく、一から事業をスタートさせた会社であれば、その事業が軌道に乗るまでにある程度の月日がかかることは当然のことで、事業が軌道に乗るまでの間の役員報酬が、決議した金額どおりに支給できないことも普通にあることです。
したがって、資金的に可能な範囲で役員報酬を支給し、未払いが最終的にはなくなっていく方向で進んでいくのであれば、定期同額給与として扱われると考えて問題ありません。