ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例13】 年度中途から支給する単身赴任手当
事例

当社(年1回3月決算)には福岡支店があり、使用人が支店長を務めていましたが、年々支店の売上が拡大し、重要性が増してきたので、10月より取締役Aを福岡支店長に就任させました。
取締役Aは、東京に自宅を所有しており、単身赴任をすることになりました。当社の規定では、役員が単身赴任をする場合には、月額10万円の単身赴任手当を支給することになっているため、10月以降のAの役員報酬に上乗せ支給することを取締役会で決議しました。
この場合、取締役Aの役員報酬は定期同額給与として扱ってよいのでしょうか。

結論

定期同額給与として取り扱われます。

解説

事業年度の途中で単身赴任をすることになった役員への単身赴任手当の支給が、臨時改定事由に該当するかがポイントとなります。
取締役Aが福岡支店長に就任することによって、一般的には取締役Aの職務内容が大幅に変わると考えられます。また、単身赴任手当10万円を支給することは、以前から会社の規定として存在しており、取締役Aのために作られた規定ではなく、その支給に利益調整等の恣意性が入り込む余地はありません。
したがって、取締役Aに支給される単身赴任手当10万円は、臨時改定事由に該当し定期同額給与として扱って差し支えありません。