ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例12】 不祥事の発生に伴い、申し合わせで役員報酬を減額した場合
事例

事例11(不祥事の発生により役員報酬を減額した場合)と同様な状況において、早急に社会的責任を果たすため、取締役会等の正式な手続きを経ず、役員間の申し合わせにより役員報酬の減額を決めた場合、どのように扱われますか。

結論

役員報酬の変更ではなく、減額前の役員報酬額にて計上するとともに、減額相当額を受贈益等として計上することになります。

解説

この事例は、法令違反に伴う行政処分の社会的責任を早急に取るために、役員間の申し合わせで減額を決めた例です。
まず、株主総会や取締役会での決議という正式な手続きを経ていないため、役員報酬の改定自体が認められません。ですから、役員報酬は減額された3か月間も従前の報酬額で計上することになります。当然、役員報酬の改定がなされていないので、減額前の役員報酬が定期同額給与として認められます。
実際の役員報酬の減額部分についての処理は、減額部分相当額を役員から会社に提供されたものと考えます。つまり、役員報酬は減額せずに、会社は受贈益を計上しなければなりません。