ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与の実務処理と節税ポイント

【事例11】 不祥事の発生により役員報酬を減額した場合
事例

当社(年1回3月決算)は、ある部門において法令に違反する行為が発覚し、行政処分を受けました。そこで、その社会的責任を明確にするため、代表取締役および問題のあった部門を担当する取締役を減給25%3か月とする旨を取締役会で決議しました。
この場合において、代表取締役および減給処分を受けた取締役の役員報酬は定期同額給与として扱われるでしょうか。

結論

定期同額給与として取り扱われます。

解説

この事例は、法令違反に伴う行政処分の責任を取るという意味での3か月間の減給が、臨時改定事由に該当するか否かがポイントになります。
事例9(病気のため職務の執行ができない場合)の解説のとおり、臨時改定事由に該当するためには、その事由が「定期給与の額の改定時には予測しがたい偶発的な事情等」である必要があります。この事例の場合、報酬改定の理由が法令違反に伴う行政処分の責任を取るということで、通常予測できない事情に当たると考えられます。
したがって、この事例の役員報酬の改定は臨時改定事由による改定に当たり、定期同額給与となるため、損金不算入額はありません。