ビジネスわかったランド (営業・販売)
顧客マネジメント
顧客を上手に維持・奪回するには
不況期には、小口でも確実に回収できる取引先を大切にしたい。ライバルの有力店も諦めずに地道に攻める必要がある。また、マンネリ化の隙間を狙うなど、全社的観点からの対策を講じる必要がある。
顧客ごとにきめ細かく接する
担当する得意先は、千差万別。いくらABC分析で区分しても、実際の営業となると、1店1店きめ細かく接する必要がある。顧客のパターンを次の図表のように大きく9つに分け、営業マンの活動ポイントを検討してみよう。
上掲図表の顧客パターンの1は上得意。極端にいえば、放っておいても問題はない。
2の場合は、同行による自社商品のPRや受注と同時に、人間関係づくりによって指名度をアップさせる。また、在庫状況を常に把握して、品切れ・品薄になる前に注文をもらうようにするなどして、徐々に占有率を向上させる必要がある。
3は、安くすれば大量に買ってもらえる点では魅力があるものの、利益が取れないという問題がある。未取引先にまだまだよい見込客があるはずだから、新規開拓するのが基本だ。
4に対する活動は、肉体的に負担がかかる。しかし、不況期になり信用不安が大きくなってくれば、むしろ小口分散して確実に回収できる相手こそ大切である。
6、9に対しては、顧客の実力相応の売込みをやらなければ、与信限度もオーバーしてしまうし、顧客の経営体質を悪化させてしまう。
8は、上司のバックアップを仰ぐ。
7が最もむずかしいが、まずは諦めないこと。そして、ライバルにあまり警戒されないよう少しずつ浸透し、ライバルが気づいたときは、自社の占有率が相当に上がっているという形にもっていく。訪問回数は、ライバル営業マンよりやや少なめだがかなり接近した回数とし、人間関係を深める。ただし、それらの活動はだらだらと行なうのではなく、「半年間で占有率40%」といった明確な目標を持って当たるべきである。
全社的観点から奪回対策を講ずる
顧客奪回作戦の展開に当たっては、まず、なぜお客を奪われたかを考えてみる。
1.ライバルは、価格が安く、品質・アフターサービスにおいて優れていた
2.ライバルの営業マンの訪問頻度、商品知識、熱心さが上回っていた
3.得意先が、ライバルの販売戦略に共鳴した。また、ライバルの幹部クラスが数回訪問しているため、密接な関係ができあがっている
4.ライバルが斬新な販売企画を提案して実施した結果、成功した
5.ライバルが資金面での援助をした
もし、ライバルが上記5項目を完璧な態勢でやってきた場合には、これはもう諦めて、逆にライバルの得意先を同じ方法で攻めるしかない。取引関係が長くなればなるほど、相互にマンネリ化しやすいので、その隙間を狙って食い込むのである。
浸食された段階で手を打つ
現実問題として、前掲の5項目を完璧に実行されて負けるというのは、まずない。得意先を食うにしても食われるにしても、一挙に100%占有というのは稀であって、徐々にという場合が多い。したがって、その段階で何らかの策を打たなければならない。
そのために活用したいのが次の図表の「競争力分析表」である。
「セールス力」で決着をつけられる問題は別だが、価格、販売援助、アフターサービスなど、上司にも相談して全社的観点からの対策を講ずる必要が出る場合もある。
得意先を奪われないための対策
いずれにしろ、深い取引のあった得意先を奪われるようでは、営業マンとして恥であり、怠慢のそしりは免れない。しかし、一度奪われた得意先を取り戻すのはむずかしいが、次のような対策はぜひとも考えるべきである。
著者
内藤 和美(経営コンサルタント)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。
顧客ごとにきめ細かく接する
担当する得意先は、千差万別。いくらABC分析で区分しても、実際の営業となると、1店1店きめ細かく接する必要がある。顧客のパターンを次の図表のように大きく9つに分け、営業マンの活動ポイントを検討してみよう。
上掲図表の顧客パターンの1は上得意。極端にいえば、放っておいても問題はない。
2の場合は、同行による自社商品のPRや受注と同時に、人間関係づくりによって指名度をアップさせる。また、在庫状況を常に把握して、品切れ・品薄になる前に注文をもらうようにするなどして、徐々に占有率を向上させる必要がある。
3は、安くすれば大量に買ってもらえる点では魅力があるものの、利益が取れないという問題がある。未取引先にまだまだよい見込客があるはずだから、新規開拓するのが基本だ。
4に対する活動は、肉体的に負担がかかる。しかし、不況期になり信用不安が大きくなってくれば、むしろ小口分散して確実に回収できる相手こそ大切である。
6、9に対しては、顧客の実力相応の売込みをやらなければ、与信限度もオーバーしてしまうし、顧客の経営体質を悪化させてしまう。
8は、上司のバックアップを仰ぐ。
7が最もむずかしいが、まずは諦めないこと。そして、ライバルにあまり警戒されないよう少しずつ浸透し、ライバルが気づいたときは、自社の占有率が相当に上がっているという形にもっていく。訪問回数は、ライバル営業マンよりやや少なめだがかなり接近した回数とし、人間関係を深める。ただし、それらの活動はだらだらと行なうのではなく、「半年間で占有率40%」といった明確な目標を持って当たるべきである。
全社的観点から奪回対策を講ずる
顧客奪回作戦の展開に当たっては、まず、なぜお客を奪われたかを考えてみる。
1.ライバルは、価格が安く、品質・アフターサービスにおいて優れていた
2.ライバルの営業マンの訪問頻度、商品知識、熱心さが上回っていた
3.得意先が、ライバルの販売戦略に共鳴した。また、ライバルの幹部クラスが数回訪問しているため、密接な関係ができあがっている
4.ライバルが斬新な販売企画を提案して実施した結果、成功した
5.ライバルが資金面での援助をした
もし、ライバルが上記5項目を完璧な態勢でやってきた場合には、これはもう諦めて、逆にライバルの得意先を同じ方法で攻めるしかない。取引関係が長くなればなるほど、相互にマンネリ化しやすいので、その隙間を狙って食い込むのである。
浸食された段階で手を打つ
現実問題として、前掲の5項目を完璧に実行されて負けるというのは、まずない。得意先を食うにしても食われるにしても、一挙に100%占有というのは稀であって、徐々にという場合が多い。したがって、その段階で何らかの策を打たなければならない。
そのために活用したいのが次の図表の「競争力分析表」である。
「セールス力」で決着をつけられる問題は別だが、価格、販売援助、アフターサービスなど、上司にも相談して全社的観点からの対策を講ずる必要が出る場合もある。
得意先を奪われないための対策
いずれにしろ、深い取引のあった得意先を奪われるようでは、営業マンとして恥であり、怠慢のそしりは免れない。しかし、一度奪われた得意先を取り戻すのはむずかしいが、次のような対策はぜひとも考えるべきである。
著者
内藤 和美(経営コンサルタント)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。
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