ビジネスわかったランド (営業・販売)
顧客マネジメント
セールスレターの基本的なフォームは
セールスレターは、販売をスムーズに取り運ぶために書く手紙であるから、それなりのフォーマットがある。これを軽視して書こうとすると自由なようで、かえってむずかしさが出てくる。次のようなルールをおさえて書くことがポイントである。
ビジネス文書の基本パターン
やはり「拝啓」から始めて「敬具」で締めくくる昔からの形式に沿ったほうが無難である。形式を知らなかったばかりに礼儀知らずと思われ、反発を買っては肝心の目的が達せられなくなる。
そこで、最小限心得ておきたいのが、次の標準フォームとルールである。
〈記号〉〈番号〉〈発信年月日〉は、所定の位置に記入する。
〈宛名〉は社名・職掌そして「様」、会社や団体の場合は「御中」とする。
次に〈件名〉だが、短いフレーズで一見して内容(趣旨)がわかるように付ける。ただし、儀礼的な挨拶の場合は省略。
〈本文〉は、大きく分けると次のような型になり、それぞれ約束事がある。内容が多いときや複雑なときは、その事項を「記」として箇条書きにするとよい。
手紙の最初の部分に書く文章が「前文」で、頭語と挨拶から成っている。頭語の代表語は「拝啓」、これに結語の「敬具」とペアで使うのがセオリー。
・拝啓(一般的な場合)
・謹啓(丁寧な場合)
・拝復(返事の場合)
これらの結語は、いずれも「敬具」である。急ぎの場合やはがきでは、これらを省略したり「冠省」「前略」「早速ですが…」としてもよい。
挨拶後は、時候や安否の挨拶で、慣用語としては、
・1月=厳寒の候
・2月=余寒の候
・6月=梅雨の候
・9月=初秋の候
などが使われる。
次いでは、安否の挨拶。これも「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などを使う。
注文、つまり肝心の用件に入るときは「さて」「つきましては」「ところで」「実は」など前文との区別をするために転語を使う。
日時・場所などを入れるときは「記」として箇条書きにするとわかりやすい。
末文は「まずご案内まで」「まずは念のためお確かめ申し上げます」など、用件の再言と念押しだが、省略してもかまわない。
結語は、先の頭語に対して「敬具」「敬白」、前略としたら「草々」などをつかう。
なお「記」を続けて書く場合は、その直前に結語を書くことを忘れてはいけない。
はがきと封書使用ルール
はがきが手軽だからといって、何でもそれで済ませてしまうわけにはいかない。
たとえば、見舞状や弔慰状、祝賀状の場合、お手軽でいかにも失礼。やはり、封書にしたためるのが正しいやり方である。
要ははがきはあくまで略式ということを忘れないようにすることである。少し手間がかかっても封書にするのが礼儀作法に適っている。
はがき
はがきは、年賀状や暑中見舞い、即売会の案内や大売出し、出張先からのご機嫌伺いぐらいに留めておくことである。
とくに気をつけたいのは、はがきを書くとき、紙面全体にバランスよく書くこと。初めの部分に字句が固まってしまって、後半部分がスキスキの空間になったり、その逆になったりしても体裁が悪い。
全体にバランスよく書くには、やはり下書きしてみたほうが無難である。
また、書いているうちに字が斜めに並んで、行がゆがんでしまったりしないように注意することも必要。これを防ぐには、エンピツで薄く線を引いておいて書き出すとよい。が、書き終えてからエンピツ部分を消し忘れないようにしたい。
むしろ、最近郵便局でも販売しているケイ線入りはがきを使ったほうがよい。書き損じを心配するなら文房具店で売っている私製のケイ線入りはがきにすればなおよいであろう。
封筒
封書にする場合に注意したいのは、社交文書では原則として社用封筒は使わないこと。
慶弔事では、もちろん中身もタイプやワープロでプリントするより手書きがよいことはいうまでもない。
したがって、封筒も社名を印刷したものでなく、白紙に自筆で、社名・差出人も書くのが誠意を表わすビジネスレターというものである。
封をするときは、かならず糊付けにする。セロハンテープやホッチキスで止めるのはやめておきたい。事務的な内容のものでも受け取る身になるとよい感じはしない。
糊付けしたフタの上、つまり封じ目に「〆」、または「封」「緘」と書いておく。
著者
坂井 尚(ビジネス評論家)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
ビジネス文書の基本パターン
やはり「拝啓」から始めて「敬具」で締めくくる昔からの形式に沿ったほうが無難である。形式を知らなかったばかりに礼儀知らずと思われ、反発を買っては肝心の目的が達せられなくなる。
そこで、最小限心得ておきたいのが、次の標準フォームとルールである。
〈記号〉〈番号〉〈発信年月日〉は、所定の位置に記入する。
〈宛名〉は社名・職掌そして「様」、会社や団体の場合は「御中」とする。
次に〈件名〉だが、短いフレーズで一見して内容(趣旨)がわかるように付ける。ただし、儀礼的な挨拶の場合は省略。
〈本文〉は、大きく分けると次のような型になり、それぞれ約束事がある。内容が多いときや複雑なときは、その事項を「記」として箇条書きにするとよい。
手紙の最初の部分に書く文章が「前文」で、頭語と挨拶から成っている。頭語の代表語は「拝啓」、これに結語の「敬具」とペアで使うのがセオリー。
・拝啓(一般的な場合)
・謹啓(丁寧な場合)
・拝復(返事の場合)
これらの結語は、いずれも「敬具」である。急ぎの場合やはがきでは、これらを省略したり「冠省」「前略」「早速ですが…」としてもよい。
挨拶後は、時候や安否の挨拶で、慣用語としては、
・1月=厳寒の候
・2月=余寒の候
・6月=梅雨の候
・9月=初秋の候
などが使われる。
次いでは、安否の挨拶。これも「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などを使う。
注文、つまり肝心の用件に入るときは「さて」「つきましては」「ところで」「実は」など前文との区別をするために転語を使う。
日時・場所などを入れるときは「記」として箇条書きにするとわかりやすい。
末文は「まずご案内まで」「まずは念のためお確かめ申し上げます」など、用件の再言と念押しだが、省略してもかまわない。
結語は、先の頭語に対して「敬具」「敬白」、前略としたら「草々」などをつかう。
なお「記」を続けて書く場合は、その直前に結語を書くことを忘れてはいけない。
はがきと封書使用ルール
はがきが手軽だからといって、何でもそれで済ませてしまうわけにはいかない。
たとえば、見舞状や弔慰状、祝賀状の場合、お手軽でいかにも失礼。やはり、封書にしたためるのが正しいやり方である。
要ははがきはあくまで略式ということを忘れないようにすることである。少し手間がかかっても封書にするのが礼儀作法に適っている。
はがき
はがきは、年賀状や暑中見舞い、即売会の案内や大売出し、出張先からのご機嫌伺いぐらいに留めておくことである。
とくに気をつけたいのは、はがきを書くとき、紙面全体にバランスよく書くこと。初めの部分に字句が固まってしまって、後半部分がスキスキの空間になったり、その逆になったりしても体裁が悪い。
全体にバランスよく書くには、やはり下書きしてみたほうが無難である。
また、書いているうちに字が斜めに並んで、行がゆがんでしまったりしないように注意することも必要。これを防ぐには、エンピツで薄く線を引いておいて書き出すとよい。が、書き終えてからエンピツ部分を消し忘れないようにしたい。
むしろ、最近郵便局でも販売しているケイ線入りはがきを使ったほうがよい。書き損じを心配するなら文房具店で売っている私製のケイ線入りはがきにすればなおよいであろう。
封筒
封書にする場合に注意したいのは、社交文書では原則として社用封筒は使わないこと。
慶弔事では、もちろん中身もタイプやワープロでプリントするより手書きがよいことはいうまでもない。
したがって、封筒も社名を印刷したものでなく、白紙に自筆で、社名・差出人も書くのが誠意を表わすビジネスレターというものである。
封をするときは、かならず糊付けにする。セロハンテープやホッチキスで止めるのはやめておきたい。事務的な内容のものでも受け取る身になるとよい感じはしない。
糊付けしたフタの上、つまり封じ目に「〆」、または「封」「緘」と書いておく。
著者
坂井 尚(ビジネス評論家)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
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