ビジネスわかったランド (人事・労務)
募集・採用
例外として年齢制限が認められるケース
採用実務においては、仕事の性質上、年齢制限を設けざるを得ない場合や、会社の経営上、特定の年齢層をどうしても募集しなければならない場合もある。
このようなケースに対応するため、年齢制限の禁止には例外措置があり、合理的な理由があって例外的に年齢制限が認められる場合が厚生労働省令で定められている。
具体的には、下表に掲げた例外事由に該当する場合には、年齢制限が可能となる(ただし、この例外措置の適用に際しては、求職者、職業紹介事業者等に対し、その理由を書面や電子媒体により提示することが義務づけられている)。
●年齢制限が例外的に認められるケース
一例として、「30~35歳の年齢層の従業員がほとんどいないので、ノウハウを引き継ぎ、将来の管理職を養成するためにも、この年齢層に限って募集したい」ということであれば、表中の(4)に該当するので、年齢を制限して募集を行なうことができる。
この場合は、以下のように記載することにより、年齢制限の理由を明示しなければならない。
このようなケースに対応するため、年齢制限の禁止には例外措置があり、合理的な理由があって例外的に年齢制限が認められる場合が厚生労働省令で定められている。
具体的には、下表に掲げた例外事由に該当する場合には、年齢制限が可能となる(ただし、この例外措置の適用に際しては、求職者、職業紹介事業者等に対し、その理由を書面や電子媒体により提示することが義務づけられている)。
●年齢制限が例外的に認められるケース
区分 | 具体的なケースと留意点 |
(1)定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(1号) | たとえば、定年年齢が60歳の会社において、「60歳未満の方を募集します」と定める場合 |
(2)労働基準法等の法令の規定により年齢制限が設けられている場合(2号) | たとえば、18歳未満の人が就業できない仕事において、「18歳以上の方を募集します」と定める場合 |
(3)長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(3号のイ) | 「対象者の職業経験について不問とすること」「新規学卒者以外の者にあっては、新規学卒者と同等の処遇であること」の2点を満たす必要がある(例:35歳未満の方を募集。経験不問です) |
(4)技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層(30~49歳のうちの特定の5~10歳幅の年齢層)に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(3号のロ) | たとえば、特殊技術を扱う会社であって、30~35歳の従業員が相当程度少ない場合において、「30~35歳の方を募集します」と定める場合 |
(5)芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合(3号のハ) | たとえば、「演劇の子役のために、18歳以下の方を募集します」と定める場合 |
(6)60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合(3号のニ) | たとえば、「60歳以上の方を募集します」「若年者トライアル雇用の対象として40歳未満の方を募集します」と定める場合 |
この場合は、以下のように記載することにより、年齢制限の理由を明示しなければならない。
募集職種:○○
募集年齢:30歳から35歳まで ※年齢制限の理由:3号のロ(技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定して募集を行なうため)
著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)
※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。
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