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土地建物の賃貸借に関する契約書
事業用定期借地権設定覚書
収入
印紙
事業用定期借地権設定覚書 | ||||||||||
甲野太郎を借地権設定者とし、乙山次郎を借地権者として、次のとおり事業用定期借地権設定のための覚書を締結した。 | ||||||||||
第1条 | (目的土地)借地権設定者は、その所有する下記土地(以下「本件土地」という。)に借地借家法第23条の事業用定期借地権を設定することとし、借地権者は、これを賃借することを約した。 |
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記 | ||||||||||
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第2条 | (使用目的)使用目的は、飲食店店舗の用に供する事業専用建物所有とする。借地権者は、本件土地上の建物を居住の用に供してはならない。 | |||||||||
第3条 | (賃貸借期間)賃貸借の期間は、第12条に定める公正証書作成の日から10年間とする。 2 本契約による借地権は、事業用定期借地権であり、借地借家法第4条ないし第8条、第13条および第18条ならびに民法第619条の適用はないものとし、事由のいかんを問わず、更新その他一切の期間延長をしない。 |
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第4条 | (登記)借地権設定者および借地権者は、第12条に定める公正証書作成後、直ちに、本件本地につき事業用定期借地権設定登記手続きを行なう。 2 前項の登記手続費用は、借地権者の負担とする。 |
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第5条 | (賃料)賃料は、1か月金○○円也とし、賃借人は、毎月末日までに翌月分を賃貸人方に持参または送金して支払う。 2 賃料が、土地に対する租税その他の公課の増加、土地の価格の上昇その他の経済事情の変動、近隣の賃料との比較等により不相当となったときは、借地権設定者は、賃料の増額を請求することができる。 |
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第6条 | (建物の賃貸等)借地権者が、所有する本件土地上の建物を第三者に使用させ、あるいは、上記建物に制限物権を設定するときは、本件借地権が事業用定期借地権であり、期間満了により建物を収去して土地を明渡さなければならないものであることを明らかにし、当該第三者の書面による承諾を受けたうえでしなければならない。 | |||||||||
第7条 | (禁止事項)借地権者は、次の場合、事前に借地権設定者の書面による承諾を受けなければならない。
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第8条 | (契約解除)借地権者が次の一つに該当した場合、借地権設定者は、催告なくして、直ちに本契約を解除することができる。
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第9条 | (明渡し)本契約が、期間満了、解除その他の事由により終了したときは、借地権者は、直ちに建物を収去し、本件土地を原状に復して、借地権設定者に明渡す。 2 明渡しに際し、借地権者は、借地権設定者に対し、立退料その他一切の金銭上の請求をしない。 3 借地権者は、明渡し後本件土地上に残置した物品の所有権を放棄し、借地権設定者が適宜処分することを認める。 4 借地権者は、借地権設定者に対し、期間満了の1年前までに、本件土地上の建物の収去予定、建物賃借人の明渡し等、本件土地の明渡しに関する事項を関係書類を添えて、書面にて報告しなければならない。 |
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第10条 | (損害金)借地権者が本契約終了と同時に本件土地を明渡さないときは、借地権設定者は、借地権者に対し、本契約終了の翌日から明渡し済みまで、最終賃料の3倍の損害金を請求することができる。 | |||||||||
第11条 | (合意管轄)本契約に関する紛争については、借地権設定者の居住地の地方裁判所を調停および第一審の管轄裁判所とする。 | |||||||||
第12条 | (公正証書の作成)借地権者は、本覚書に基づく契約を強制執行認諾文言付公正証書を作成して締結する。 2 公正証書作成前においては、借地権者は、本件土地につき何らの権限を有さず、公正証書作成後に本件土地の引渡しがなされるまで、本件土地に立入ってはならない。 3 借地権設定者は、借地権者に対し、公正証書作成後7日以内に本件土地を引渡す。 |
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以上のとおり、事業用定期借地権設定の合意が成立したので、これを証するため本覚書を2通作成し、借地権設定者・借地権者各署名押印のうえ、各1通を所持する。 平成○年○月○日 |
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著者
水野賢一(弁護士)