ポイント解説

事業用定期借地権設定覚書


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(第1条)
目的土地の表示は、賃貸目的物が明確になるよう登記簿謄本を参照するなどして、正確に記載する。
賃貸部分が一部であるときは、どの部分であるのかを方位、面積、図面などを用いて具体的に記載する。

(第2条)
事業専用建物の所有目的であることを明確にする。

(第3条)
事業専用建物所有を目的とする事業用借地権は、存続期間10年以上20年以下の定期借地権で、公正証書によって設定しなければならない(借地借家法第24条)。
事業用借地権には、法定更新、建物再築による期間延長、建物買取請求権などの規定が適用されない。

(第4条)
事業用借地権であることを第三者に対抗するには登記が必要。

(第5条)
賃料の額、支払方法を明確にする。特約がなければ後払いとなる(民法第614条)。
賃料の増額請求についても確認しておく。

(第6条)
事業用借地権上に存する建物に利害関係をもつ者が、事業用借地権であることを知らないことによって起こりうる紛争を事前に予防しておく(借地借家法第35条)。

(第7条)
無断譲渡・転貸は禁止されているが(民法第612条)、事前の書面による承諾とする点が特約。
無断増改築禁止には、特約が必要。

(第8条)
契約解除事由も明確にしておく。
当事者一方の債務履行遅滞による契約解除は、相当の期間を定めてその履行を催告したのちでないと認められないが、催告なくして、直ちに契約を解除できる点が特約(民法第541条)。

(第9条)
明渡しの条件・方法、残置物の処理について明確にしておく。

(第10条)
契約終了後明渡し済みまでの損害金は、特約がなければ最終賃料が基準となる。

(第12条)
事業用借地権の契約は、必ず公正証書で行なわなければならない。公正証書によらないときは、法定更新などが認められる普通借地権となる。公正証書作成前に使用を許すと、賃借人が公正証書の作成に協力しないこともありうるので、公正証書作成後に引渡すのがよい。