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取締役会の運営

取締役会とは?

取締役会とは
取締役会は、会社の業務に関する重要なことを決定(決議)したり、代表取締役が業務を執行するのを監督したりするための機関である。
株主総会は、株主によって構成される機関であるから、会社の基本的で重要な事項について決定権限をもつのは当然である。
しかし、株主が多数になればなるほど会議のために始終集まるのは困難である。しかも、会社の経営に興味をもたない株主も少なくない。
そこで、多くの株式会社では、株主総会で選任された取締役で構成する取締役会に業務上の重要な仕事を任せている。なお、一定の場合には取締役会の設置は不可欠だが、取締役会非設置会社も認められる。

取締役会の仕事(権限)の内容
第一の仕事は、会社の業務執行に関する決定(「意思決定権限」という)をすることである。
会社法は、取締役会で決定しなければならない事項を具体的に定めているほかに、「その他の重要なる業務執行」についても取締役会が決定しなければならないと定めている。
したがって、実際に会社の業務の執行にあたる代表取締役は、業務執行の細かい事項については決めることができるが、それはあくまで取締役会から委任された範囲内でできるにすぎない。
第二は、取締役の職務の執行を監督することである(「監督権限」という)。
取締役会は、代表取締役の業務の執行や個々の取締役の職務について問題があれば、これを適正にさせる責任がある。
そのため、個々の取締役は、代表取締役や他の取締役を監視して、必要だと考えれば、取締役会の監督権限を行使するために、自ら取締役会を招集したり、あるいは招集するよう求めなければならない。このような監督が効率的に行えるよう、取締役は、取締役会に対して、3ヶ月に1回以上は業務執行の報告をしなければならない。
なお、取締役会は随時開催できる。多くの会社では定例開催日を決めているが、必要があれば臨機応変にいつでも取締役会を開くべきである。

著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。