ビジネスわかったランド (総務・庶務)

取締役会の運営

取締役会の権限は?

会社の意思決定
取締役会の基本的な職務は、会社の業務執行を決定すること、各取締役の職務執行を監督すること、そして代表取締役を選定・解職することである。
取締役会の会社の業務執行を決定する権限(意思決定権限)について会社法に定められた個別規定を整理すると、以下のとおり。


(個別的に定められている事項)
(1)株式譲渡の承認等
(2)自己株式の消却
(3)株式分割
(4)株主総会の招集
(5)取締役会の招集権者指定
(6)重要な財産の処分および譲受け
(7)多額の借財
(8)支配人その他の重要なる使用人の選任解任
(9)支店その他の重要なる組織の設置、変更および廃止
(10)社債の募集に関する重要事項の決定
(11)取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するために必要なものとして法務省例で定める体制の整備
(12)定款の定めに基づく役員等の免責
(13)代表取締役の選定、共同代表の定め
(14)競業取引の承認
(15)利益相反取引の承認
(16)計算書類等の承認
(17)中間配当
(18)会計監査人設置会社における貸借対照表および損益計算書の確定
(注)会社法は、「その他の重要な業務執行」と規定している。

その他重要な業務執行
個別に定めている事項以外の事項でも、「重要」な業務執行にあたる事項については、代表取締役その他の取締役に決定を委任することはできない。
もっとも、この「重要」な業務執行にあたるか否かについては、明確な基準はない。結局、業務を執行する代表取締役の判断に任される結果になる。
したがって、定款や取締役会決議によって、あらかじめ取締役会で決定すべき事項(たとえば、新規営業の開始、会社経営の基本方針は、取締役会の決定とする等)や判定基準を明らかにしておくのがよい。


著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。