ビジネスわかったランド (総務・庶務)

取締役会の運営

取締役会の招集の時期・回数と開催場所は?

取締役会の開催
取締役の開催について、会社法はとくに定めていない。
株主総会の招集の決定は、取締役会が行なうことになっているし、定時総会に提出される貸借対照表・損益計算書などの計算書類は事前に取締役会の承認を得ておく必要があるので、少なくとも「定時総会の前」には取締役会を開く必要がある。
しかし、もちろんそれだけで済むものではない。

開催時期と回数
開催時期と回数についても定めたものはないが、業務を執行する取締役に対して3か月に1回以上は業務の執行状況について取締役会に報告させることになっているので、少なくとも「3か月に1回」は取締役会の開催が必要である。
実際には、(第1週の水曜日の午後1時からというように)あらかじめ時期を定めて、毎月1回は取締役会を開催している会社が多い。それは多くの会社の業務や経理は月1回を単位として処理されていることから、取締役会は少なくとも月1回は開催されるのが合理的だからである。

開催場所
開催場所についてもとくに定めはないので、たとえば、会社の旅行や出張で、取締役全員が外国にいるような場合には、そこで取締役会を開催してもよい(監査役設置会社は、監査役の出席も必要)。
具体的な会場についても、「会議室」でなければならないわけではない。
したがって、旅先の旅館やホテルの広間で開催することもできる。
しかし、反対派の取締役が出席できないようにする目的で、あえて遠隔地で開催するようなことはできない。
決定している開催場所を変更するには、取締役全員が事前に変更を承認していなければならない。ただし、全員が他の場所で開かれた会議に出席しているような場合には、その取締役会は有効である。


著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。