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取締役会の運営

取締役会の定足数は?

取締役会の定足数は
取締役会が有効に成立するために出席が必要とされる取締役の員数を「定足数」といい、取締役会の定足数は、「決議に加わることのできる取締役の過半数」であるとされている。
「取締役の過半数」は、原則として現存する取締役の員数を基準にして計算する。たとえば、定款で取締役の員数を「6名以上とする」としている会社で、現存取締役が12名であれば定足数は7名となる。4名が定足数ではない。

ただし、現存取締役の員数が会社法または定款の定める最低数を下回っている場合には、定足数はあくまで定められた最低数を基準にして計算する。たとえば、定款で取締役員数を6名以上と定めている会社で、現存取締役が5名のときでも、定足数は6名の過半数の4名となる。
また、取締役員数を定款で定めていない場合は、3名が最低数であるから、現存取締役が1名になってしまうと、裁判所で仮取締役の選任を受けなければ取締役会が開けないことになる。

定足数が満たされているとは
取締役会が開会される時点だけではなく、討議や決議の全過程を通じて定足数が満たされている必要がある。
その理由は、一定数以上の取締役が会議に出席することを要請し、協議と意見の交換により取締役の英知が結集されて一定の結論が生み出されることを期待しているからである。

特別利害関係のある取締役と定足数
特別利害関係のある取締役の数は議決権数にも定足数にも算入しない。
たとえば、ABCDEFという6名の取締役のうち、Fと会社との利益相反取引の承認の取締役会であるために、Fが特別利害関係人である場合には、現存する取締役数はFを除いた5名として計算することになり、定足数は4名でなく、3名でよいことになる。


著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。