ビジネスわかったランド (総務・庶務)

取締役会の運営

取締役会の議決要件は?

取締役会で行なわれた決議が有効なものであるためには、次の5つの要件をすべて満たす必要がある。


正しく招集されていること
取締役に対する招集手続きが適正になされることは、決議が有効とされる最初の要件である。すべての取締役が参加することができる取締役会でなければ、有効な討議・決議が行なわれたとはいえないからである。

定足数が満されていること
招集手続きが正しく行なわれても、実際に集まった取締役が少数で定足数に足りない場合には、そこで何らかの決議をしても、取締役会の決議とすることはできない。
有効な会議とされるための人数の最低数を決めたのが、定足数である。したがって、定足数が満たされることが、二番目の要件となる。

資格ある取締役によって構成されていること
招集手続きが適正で、定足数も満たされていても、欠格事由がある取締役が加わっている場合には、原則として、取締役会の決議を有効とすることができない。取締役会に参加する資格のない者の意見が、討議や決議に影響を及ぼしているからである。

決議が法令や定款に違反しないものであること
前述の3要件は、取締役会の手続きに関するものである。
しかし、取締役会が有効に開催されても、そこで決議された内容自体が、法令や定款に違反するものであれば、有効な決議とすることはできない。

決議方法は出席取締役の過半数によること
たとえば、過半数を「3分の2以上」と重くすることはできるが、「2分の1以上」のように軽くすることはできない。


著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。