ビジネスわかったランド (総務・庶務)

取締役会の運営

決算取締役会の運営の仕方は?

決算の必要性
株式会社に商品を販売して売掛金債権を有する債権者にとっては、会社の財産だけが担保である。したがって、放漫経営で会社財産が散逸してしまっては債権者の債権回収が困難になる。また、一般の株主も大株主や取締役の勝手な行為を防止するために、会社の財政状態を把握している必要がある。
そのために、会社はいわゆる計算書類等(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、事業報告、およびそれらの附属明細書等)を作成して、株主総会の承認を得ることとされている。

取締役会の関与
決算との関係で、取締役会がどのような働きをするかについて、会社法は、事業年度ごとに代表取締役が計算書類等を作成した後に、監査役設置会社においては監査役の監査を受け、その後、取締役会がこの計算書類等を決議によって承認することを定めている。

取締役会の承認の意味
取締役会が計算書類等を承認するというのは、取締役会がそれらの書類内容を確認し、これらの書類に対して、株主総会の承認を得て確定させることを認めることを意味する。
各取締役はそれぞれの知識や情報に照らして、計算書類等に問題がある場合には、これを是正しなければならない。
小規模の会社といえども、代表取締役に盲従して、計算書類等を鵜呑みにしたりせずに、不明な部分については十分な説明を求めたりして、取締役としての職責を果たすことが必要である。

会計参与
会計参与を置く会社では、会計参与が代表取締役と共同して計算書類および附属明細書を作成する。そのような職務を行なうために、会計参与はいつでも会計帳簿を閲覧・謄写することができる。
そして、会計参与は、計算書類等の承認をする取締役会に出席する義務を負い、必要に応じて取締役会で意見を述べることができる。


著者
安部井 上(弁護士)
2011年8月末現在の法令等に基づいています。