ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[有価証券] 有価証券を売買した(2)

設例

  1. ○年6月5日、前述(「有価証券を取得した」設例(2))のA社の株式を1株388円で10,000株を追加購入し、売買手数料27,500円(税込み)とともに普通預金から支払った。
  2. ○年6月8日、(1)のA社株式3,000株を413円で売却し、手数料15,400円が控除され、普通預金に振り込まれた。なお、当社は有価証券に関しては総平均法を採用している。

仕訳

  借方 貸方
1. 売買目的有価証券
仮払消費税等
3,904,500
2,500
普通預金 3,907,000
2. 普通預金
仮払消費税等
1,223,600
1,400
売買目的有価証券
売買目的有価証券売却益(または売買目的有価証券運用益
1,185,000
40,000

計算

  • 1株当たりの帳簿価額:(2,020,000円+3,905,000円)÷(5,000株+10,000株)=395円
  • 売却した株式の譲渡原価:395円×3000株=1,185,000円
  • 売却益:(413円-395円)×3000株-14000円=40,000円
  • 振込金額:(413円×3000株)-14,700円=1,224,300円

解説

売買目的有価証券の売買により発生した損益は、売買目的有価証券売却益(損)または売買目的有価証券運用益(損)として処理します。有価証券の譲渡原価を計算する方法は、1株当たりの帳簿価額×譲渡した有価証券の株数によって求められますが、1株当たりの帳簿価額は、移動平均法、総平均法から、会社が選択した方法によって計算されます。

著者:千田喜造(税理士)