ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

意外と知らない「電話」のルール

初めての人でも「いつもお世話になります」
ビジネスシーンで使われる慣用句には、理屈で考えると「おかしい……」と首をかしげたくなる表現がいくつかあります。
たとえば身近なところでは、買い物をすると「毎度ありがとうございます」と声をかけられます。
「毎度」と言うからには額面どおりに受け取ると、「いつもその店で買い物をしていただいて……」ということになりますが、たとえ初めてのお客様でも常連客でも区別なく、この言葉は用いられます。

これは、ビジネスでは理屈でなく、相手に好印象を与えることが大事だからです。
同様のことが電話の応対でもいえます。たとえ自分の知らない初めての相手でも、他社からの電話には「いつもお世話になっております」と感謝の言葉を伝えるのがルールです。
本当に、いつもお世話になっているかどうかは、この際、理屈は不要なのです。
たまたま自分が知らないだけで、実は他の部署で何らかの形でつながっていたり、会社にとって重要な人だったりすることもあります。

仮に、これまでまったくお世話になっていない人でも、「いつもお世話になっております」と言われて気を悪くする人はいないでしょう。むしろ、丁寧な応対に好印象を持ってもらえる可能性のほうが、ずっと大きいのです。


白沢節子