ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

ワンランク上をすすめる「アップセリング」

成果に直結するテクニック

アップセリングとは、相手の検討しているものより、ランクの高い商品やサービスを販売するためのテクニックのことです。
とくに購入・買い替え・契約更新時などに、相手の希望する商品と同種で、より販売単価や利益率の高い上級の商品を提案することは、顧客あたりの単価上昇につながりますから、成果に直結します。
こうした手法は、通信販売などの電話窓口では、かなりメジャーなテクニックです。
実際、私が以前からほしかった「スープメーカー」を通信販売のカタログで発見し、電話で注文しようとして品切れだったときも、すかさず次のような言葉が相手から飛び出してきました。

「実はメーカーは違うのですが、スープとあわせておかゆも作れる商品があります。お値段は少しお高いのですが、使って喜んでいただけるのはこちらだと思います、今ちょうど、お試しキャンペーン中なので特別価格でご提供しております」

こうすすめられて、私は結局、こちらの上級モデルを買うことにしました。相手のアップセリングのうまさの勝利です。もちろん、私が通販好きだったこともありますが。

相手の要望にそえない場面をチャンスに変える

ビジネスの場面では、相手の要望にぴったりそえない場合が少なくありません。
こんなときこそ、「もう一つランクが上の商品・サービスをすすめるチャンスだ」と考えてみましょう。お客様の要望を満たしながら、売上げアップをもたらすアップセリングは、通販だけではなく、保険の契約、自動車の販売、ひいては建売住宅のような高額なものにまで使える手法です。ぜひ試してみてください。
ただし、一つだけ注意点があります。使いやすいアップセリング手法も、一歩間違えると「押し売られた」と思われてしまうことです。
そう思われないためにも、あくまで「お客様のためになる」こと、「お役に立てる」という姿勢で商品をすすめることが鉄則だということを覚えておいてください。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)