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いいにくいことに添える「クッション言葉」

クッション言葉は「大人の言葉遣い」

 クッション言葉とは、依頼・断り・謝罪などのフレーズに添えることで、印象を和らげて不快感を抑える役目をする言葉です。これを使うと、相手にとって受け入れやすい印象になります。「大人の言葉遣い」としてぜひ身につけておきたいものです。
 例えば、次の例を見てみましょう。

A 「どのようなご用件ですか」
B 「恐れ入りますが、どのようなご用件ですか」

AとBでは同じ意味であっても、聞く側からすると受け取り方がまったく違ってきます。
あなたがAのようにいわれたら、どんな感情をもつでしょうか。確かに用件を伝えるのは当然かもしれませんが、いかにも冷たい口調で反感を感じるのではないでしょうか。
それに対してBは、最初に「恐れ入ります」というクッション言葉が入っているために、ずいぶん印象が柔らかくなります。
こちらからお願いする場面、何かを断らなければいけない場面、謝らなければいけない場面など、いいにくい場面では、ぜひこうした表現が自然に出るようにしたいものです。
クッション言葉には、他にも次のようなものがあります。
(1) お詫び 「申し訳ありません」「失礼しました」「ご迷惑をおかけしました」
(2) 感謝 「ありがとうございます」「恐れ入ります」「お世話になりました」「貴重なご意見ありがとうございました」「今後の参考にさせていただきます」
(3) 断り 「申し訳ありません」「大変失礼ですが」「申し上げにくいのですが」「残念ですが」「偉そうに聞こえたら申し訳ありません」
(4) 共感 「おっしゃるとおりです」「ご事情お察しいたします」「ご心配ですね」

大切なのは思いやり

もちろん、ただクッション言葉を使えば、気持ちが伝わるというものではありません。
相手に対する温かい心配りがあってはじめて、クッション言葉はクッションの役割を果たすのです。「申し訳ありませんが」「恐れ入りますが」などといいながら、相手のことを考えない無茶な要求ばかりしていては、NGなのです。
基本は「相手の心を思いやる気持ち」です。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)