ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

相手の答えをコントロールする「誘導質問」

質問で断りにくい雰囲気をつくる

誘導質問は、相手にイエスをもらいたいときに使う手法です。
例えば、どうしても自分の都合でアポイントを取りたいときに、みなさんはどのような尋ね方をしているでしょうか?
「○月○日はいかがでしょう?」
などと聞いてはいないでしょうか?
これは、賢い聞き方とはいえません。これでは相手に「その日がいいか悪いか」という判断を聞く言い方になっています。
すると相手が「なんとなく面倒だ」と思えば、すぐに「その日はちょっと……」と答えられてしまうでしょう。つまり、ノーが出やすい聞き方になっているのです。
「○月○日におうかがいしてもよろしいでしょうか?」
という表現も同様です。これも「いいか悪いか」の判断を仰ぐ言い方になってしまっており、アポイントをどうしても取りたいときには適切ではありません。

事実について質問する

ではどのように聞けばいいかというと、
「○月○日はいらっしゃいますか?」
と聞くようにするといいのです。こう聞けば「相手がその日にいるのかいないのか」という単純な事実についての質問になります。そう聞かれれば、とっさに嘘をつく人もいないでしょうから、いる場合には「います」と答えるでしょう。
そこで、すかさず「では、その日の何時ぐらいがご都合よろしいでしょうか?」と聞けば、もうアポイントはその日に決定です。
このように相手が「いいえ」といいにくい質問を積み重ねていくのが、誘導質問の基本テクニックです。他にも、こちらで前提をつくってしまうという方法もあります。
例えば、「ご購入するにあたって、不安な点はございますか?」
などと質問すれば、さりげなく「購入する」という前提をつくることができます。
相手も会話が進んでいくうちに、自然にこちらのペースに巻き込まれて、前向きに「購入する」気持ちになっていくでしょう。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)