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電話の威力を100%引き出すテクニック

お客様の決断を後押しする「事例活用法」

お客様は他人の感想に頼っている

私たちは、ほしいものを買うときに、商品の情報収集をし、価格を比較し、じっくり考えて決めているかといえば、必ずしもそうではありません。
毎日、仕事であれ家庭生活であれ、判断しなくてはならないことだらけで、一つひとつの決定に多くの時間を割くことはできないのです。そんな忙しい現代人にとって、手っ取り早い決定基準になっているのが、他人の感想や評判です。
「顧客満足度ランキングナンバーワン」などのキャッチコピーが宣伝広告に見られるのは、企業がこうしたお客様の心理を熟知しているからです。
広告を見た人は「ずいぶん評判がいいわね。やっぱりいい商品なのかしらね」との印象を抱くだろう、ということでこうしたコピーを出しているわけです。
ここで紹介する事例活用法もまた、そうした他人の感想や評判などの事例を引き合いに出すことで、会話の説得力を増す話法です。

他人の評判を示して説得力を増す

事例活用法の一例を具体的に示してみましょう。

「私のお客様も、先月初めてご利用になって以来、とても便利に使っていただき、『もっと早く使えばよかった』とおっしゃってくださっています」

このように他でうまくいっている事例を紹介すると、お客様の気持ちに大きな影響力をもちます。「実際に使っている人もそういっているし……」と考えはじめるわけです。
こうした他人の評判や感想などの事例を示すことは、とくにお客様が購入を決めかねているときの最後の一押しに有効な決定打になります。
また、事例活用法の応用として、こちらがお客様にいいたいことを、他人の事例で代弁させるという方法もあります。
パソコンの販売員が「パソコンをはじめるのは早いほうがいいですよ」といえば売るための方便ともとられがちですが、「『パソコンを早くはじめてよかった』という人が圧倒的に多いんですよ」といえば、説得力もより増しますし、反感ももたれないでしょう。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)