ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

視覚も併用する「資料活用法」

電話に「視覚」を利用する

資料活用法とは、相手の手元にあるDM、資料・写真・サンプル・Webなどを電話と併用することで、より話に説得力をもたせるテクニックです。
説得のための材料を具体的に示すことができるので、相手の迷いや不安を除く方法としてはうってつけです。
この手法を使う場合、あらかじめ資料や数値などのデータやサンプルの写真などをメール送信して、それを見てもらう方法や、お互いにパソコン画面を見ながら、会話を進める方法などがあります。
もちろん、DMを送って、それをフォローするという従来の方法も健在です。DMの場合、到着した頃(3日~1週間以内)が有効な期間ですから、タイミングを逃さないアプローチが必要です。
その際、相手が「DMに目を通していない」といっても、すぐにあきらめるのは早すぎます。まずはひととおり話をして「あとでDMもご覧になってください」というように案内すればいいでしょう。この場合、相手に開封を迫るようなトークは逆効果です。
これらの方法はいずれも、時間の効率やコストの観点から比較すると、まさに直接会って打ち合わせをするのと同等以上の効果が生み出せます。
建築予定の物件や住宅の販売など、電話一本で商談を完結できにくい高額商品の場合でも、こうした視覚を用いた対応をすることで、面談にまでもっていきやすくなります。

相手の目の速度を想像しながら話す

資料などを見てもらいながらの説明や会話は、資料に目を通す相手のようすやスピードを感じながら行なうことが大切です。例えば、

「まずA物件ですが、10階建てです。メールに添付した1番目の画像を見てください。外壁は白で、とてもお洒落な概観です。そのうちの5階から7階にまだ空きがあります。広さは……」

あくまで相手に合わせ、ゆっくりとていねいに話を進めるようにしましょう。
また、時折「何かわかりにくいことはございませんか?」などと、相手が話についてきているのかを確認し、相手の理解度を測りながら会話を進めることも欠かせません。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)