ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

指示や要求には「依頼形話法」

相手への配慮を表現する話法

ビジネスの会話では、「してください・しないでください」といった命令口調はNGです。たとえこちらの要求や指示が正当なものであっても、威圧的に聞こえ印象が悪くなってしまいます。
これは「ご伝言をお願いします」「戻り次第ご連絡いたしますので、お電話番号を教えてください」などという表現であっても同様です。ストレートな命令口調よりはていねいですが、これでもまだビジネスの会話では命令口調の一種。相手によってはキツい印象をもってしまうものなのです。
ですから、もし相手に対して、指示や要求を伝えたいときは「していただけませんでしょうか?」と依頼する言い方にすること。これを、依頼形話法といいます。
これだけで相手に与える印象を、グッとソフトにすることができます。
例えば、

× 「明日の会議の時間が変更になりましたので、ご伝言をお願いします」
◯ 「明日の会議の時間が変更になりましたので、ご伝言をお願いできませんでしょうか?」

× 「戻り次第ご連絡いたしますので、お電話番号を教えてください」
◯ 「戻り次第ご連絡いたしますので、お電話番号を教えていただけませんでしょうか?」

このように、「~お願いします」「~教えてください」という表現を避け、「~お願いできますか?」「~教えていただけませんでしょうか?」と相手の都合を尋ねる言い方にすることで、相手への配慮が表現でき、よりソフトな言い方になるのです。
これは、ぜひとも日常的に使えるようにしておきたいテクニックです。

ただし、この言い方を本当に緊急を要する場合に使うと、悠長に聞こえることがあります。そうした場合には、あえて「すぐに手配してください!」と命令形を使ったほうがいいでしょう。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)