ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

相手の言葉を切り返す「ブーメラン法」

相手の言葉をそのままこちらの主張の根拠にする

ブーメラン話法は、相手の断りの理由などを、そのままこちらが商品をすすめる根拠にして話を進める話法です。相手は断りの根拠を失う形になりますから、自然と「イエス」といわざるを得なくなるのです。
例えば、以下はコーヒーマシンのメーカーの営業担当者とお客様の会話です。

「私どものコーヒーマシンをご利用いただくと、本格的な味のエスプレッソを営業マンでもスイッチオンで簡単に自分で入れられます。来客のたびに、他の忙しい社員の手を煩わせることもありませんから、効率的でスマートな対応ができると思います」

「ちょっと予算的に余裕がないよ」

「予算に余裕がないとおっしゃるお客様にこそおすすめしたいのです。このコーヒーマシンですと、1杯あたり20円のコストです。1日のご利用数が約100杯と聞いておりますから1日当たり2000円。人件費の効率化を考えますとかなりお得だと思いますが」

自分のいった断りの言葉をそのままの形で投げ返されると、相手は「でも」とすぐに否定することができません。まさしく相手の言葉がブーメランのように相手自身に戻っていくわけです。

威圧感をもたれないように

うまく使うことができれば、相手に「ノー」とはいわせないほどの威力があるこのテクニックですが、一つ注意点があります。
それは、この話法は相手が反論しにくい形をとるだけに、こちらの主張を一方的にまくしたててしまう形になりかねないということです。そうなると、今度は相手に威圧感を与えてしまいます。
それを防ぐためには、相手のメリットになる点を明確にして、「あなたのためなんです」という姿勢をつねにもちながら提案していくことです。
販売することに必死になり、この姿勢を忘れてしまうと、どんな鮮やかな主張を展開しても、それは「押し売り」になってしまいます。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)