ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

相手の話を具体化する「ナビゲーション話法」

5W3Hで正確に素早く要点を把握する

ビジネスにおける電話の役割とは、お客様の用件をよく聞き、お客様が何を求めているかを理解することです。しかし、実際にこちらに余裕がないとき、とくに激しいクレーム電話などの場合、会話が支離滅裂になりがちで、相手の話を正確に把握することが困難だったりします。
こうした場合に重宝するのが、ナビゲーション話法です。ナビゲーション話法とは、5W3Hにしたがって、相手の話の具体的な内容を聞き出す話法のこと。話の内容を正確に素早く把握でき、相手も話しやすくなるテクニックです。
ここでいう「5W3H」とは具体的には以下のようなものです。

誰が(Who:出席者など関わった人物・主人公)……「D社の佐々木部長が」
いつ(When:日にちや時刻)……「明日の午前10時に」
どこで(Where:実施場所や集合場所)……「N社にうかがったときに」
何を(What:用件や主題になるモノ)……「自社の新商品Eを」
なぜ(Why:どうしてそうなったのか理由・原因)……「ぜひおすすめしたいため」
いくつ(How many:個数・数量・モノの数)……「100個」
いくらで(How much:コスト・金額・予算)……「5万円のものを」
どのように(How to:用件や出来事の方法、解決策など)……「ご提案したいのでアポイントをお願いしたい」

もちろん、毎回これら全部を聞くということではありません。
用件のなかに、必ず聞いておかなければいけない内容があるはずです。それをこの5W3Hにしたがって整理し、質問するのです。例えば、クレーム対応においてまず第一に聞かなければいけないのは、当然クレームの内容です。
購入したドライヤーが不良品だったというケースなら、
「申し訳ありませんでした。いつ頃、どこのお店でお求めになった商品でしょうか?」
「不具合が見つかったのはいつ頃でしょうか?」
「どのような状態で動かなくなったのでしょうか?」
と順を追って確認していくのです。その際、注意したいのは、決して尋問のように高圧的な雰囲気で聞かないことです。

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)