ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

電話の威力を100%引き出すテクニック

クローズ質問とオープン質問を使いこなす

相手のタイプによって質問のしかたを変える

電話の相手にも様々なタイプの人がいます。自分から進んで話してくれるざっくばらんな人、反対に口の重い人……。
こうした人たちに対応していくには、同じ質問をするにしても、タイプによって方法を変えていく必要があります。
その使い分けの代表的なテクニックとして、「オープン質問」と「クローズ質問」というものがあります。
これは相手の口数によって使い分けるもので、積極的に話してくれるタイプの人には「オープン質問」、口数が少ない人には「クローズ質問」が効果的であるとされています。

クローズ質問とオープン質問の違い

まず、口数が少ない人に質問をする場合には、クローズ質問が向いています。
これは「お買い上げいただいたのは昨日ですか?」のように「はい」「いいえ」で答えられる質問のことです。
クローズ質問では、お客様に求める答えは原則的に「はい」「いいえ」の端的な表現ですみます。そのため口下手な相手にも負担をかけず、会話が手際よく進むので、スピーディーにクレームなどの詳細を明確にしたいときには最適です。
しかし、相手にとって気の乗らない質問がつづくと、いつの間にか会話がストップすることもあるので注意が必要です。
それに対して「オープン質問」は、「具体的にはどのような内容でしょうか?」というように、お客様に自由にかつ具体的に話してもらうことを目的にする質問方法です。
この方法は、質問に答える側にストレスはかかりませんが、対応する側が質問をコントロールしないと時間がかかりすぎたり、論点がずれる可能性があるので注意が必要です。
しかし答える側の自由度が増すので、本音や意見を聞き出すときなどには有効です。
もちろん、この2つはどちらか一方だけを選ばなければいけないということではなく、組み合わせて使ってもかまいません。例えば、クローズ質問で会話が滞ってきたら、いったんオープン質問に切り換える。オープン質問で話が長くなってきたら、クローズ質問にするなど、場面に応じて使い分けるようにすれば、さらに効果的です。

クローズ質問

あなた : 「パソコンの調子が悪いということですね? 処理速度が遅くなった感じですか?」
相手 : 「はい、そうです」
あなた : 「何かいつもと違う操作をなさいましたか?」
相手 : 「いいえ、とくに」
あなた : 「最近、ソフトのアップデートなどなさいましたか?」
相手 : 「はい、それはしました」
あなた : 「それが原因かもしれませんね」

オープン質問

あなた : 「パソコンの調子が悪いということですね。具体的にはどのように調子が悪いのでしょうか?」
相手 : 「なんかパソコンが急に重くなったんです」
あなた : 「どのような操作をしたことで重くなったのですか?」
相手 : 「普段と変わらないと思うんだけど。ただ最近ソフトをアップデートしました」
あなた : 「それが原因かもしれませんね」

恩田 昭子(株式会社ドゥファイン代表取締役社長)