ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
意外と知らない「電話」のルール
電話で「チョッキ」は戸惑う
漢字は文章にすると、わかりやすいものです。漢字はそれ自体で十分意味を成すからです。
たとえば、「可及的」という漢字は耳で聞くと「?」と思っても漢字を見ると、たとえそれが読めなくても「できるだけ」という意味が何となくわかります。
よくビジネスの場で「可及的速やかに」といった表現をする人がいますが、「速やか」はわかっても、「カキュウテキって何だ?」となるのです。これでは意思の疎通は成り立ちません。
また、よく使う「直行・直帰」もそうです。
漢字を見れば一目瞭然の言葉ですが、電話でいきなり言われるとわからない人もいます。
「○○さんをお願いします」と言ったところ、「○○は本日、チョッコウ・チョッキですが……」と言われて戸惑う人もいるでしょう。
こういうときは、
「○○は本日、直接現場のほうへ出ておりまして、夕方そのまま自宅に帰ることになっておりますが……」
と言えば誰にでもわかります。
たとえば、よく使われる言葉に「挙手」「必携」「無許可」などがあります。
これらも漢字を見れば、その意味がすぐわかりますが、耳で聞くといったい何だろうと一瞬考えてしまいます。
もちろん、言葉の前後関係で理解できるものですが、「手を上げる」「必ず身につける」「許可がない」などと言ったほうが誰にでも正しく通じます。
「わからなければ、たずねてくれれば説明します」と言うかもしれませんが、電話でわからない言葉の意味を聞くのはなかなかできないものです。
ふだん使い慣れた言葉でも、聞いている人にわかるかどうかを十分考えながら電話はもちろん対面でも話すことが大切です。
白沢節子
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