訪問先の会社の受付で、まず自分の会社名と氏名を名乗り、面会相手の氏名を告げると受付の係の人が「はい、かしこまりました」と対応したまではいいのですが、担当者に連絡をとる電話で、
「受付に、○○会社の○○という人がお見えです」
あるいはその部署に電話をかけたときに取り次ぎの人が「はい、少々お待ちください」と言ったあと、
「課長、○○会社の○○という人から電話です」
という声が聞こえることがあります。

この「という人」は、来客や電話の取り次ぎをしたときにうっかり使いやすい言葉ですが、もし相手の耳に入ってしまったら大変失礼なことになります。
相手がきちんと会社名・氏名を名乗っているにもかかわらず、「という人」と言うのは相手を低く見ているといった印象を与えます。
まして、「とかいう人」になると、相手に自分を軽く見ているような印象を与えます。これでは相手は不快感を抱くだけです。
電話や来客を取り次ぐときは、たとえ初めての相手でも「○○会社の○○さま（さん）がお見えです」「○○さま（さん）からお電話です」と正確に伝えればいいのです。
もし、「という人」を使う場合は「とおっしゃるかた」と言うべきで、お客様には「という人」はいない、と心得ておきましょう。


白沢節子