上司への連絡や相談には、周囲の人に聞かれたくないこともあります。
たとえば、「この件の結果は、私だけに報告してほしい」などとクギを刺されて仕事を命じられたような場合などで、このときに最も頭を悩ますのが、報告のタイミングです。
結果をすぐに耳に入れたいのに、周囲の目が気になるようなときは、メモの活用をおすすめします。
ただ、こう言うと用件を書いたメモだけを堂々と上司に渡して無言で去っていく人がいます。これでは周囲に秘密の話をするのだと宣言しているのに等しく、いささか配慮不足というものです。
何か他の用事にかこつけて、さりげなくメモを渡すぐらいの気遣いがほしいものです。
たとえば、「課長、例の報告書ができましたので、目を通していただきたいのですが……」と言いながら報告書と一緒にメモを添えれば、ごく自然で無理がありません。
ところで、メールで伝えれば周囲の人に聞かれなくてすむので、メールにすればよいと考える人もいるでしょう。もちろん、今すぐではなく、少しくらい時間が遅れてもよい場合はメールでかまいません。
そのときは、当然のことながらメールにしたことを上司に伝えます。そのひと言を言い忘れたがために、上司がメールを見る時間が遅くなることもあるからです。


白沢節子