ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「仕事」がスムーズに進む言葉のルール

役職名を名乗るときは「役職名+苗字」

次のような光景を思い浮かべてみてください。
協力会社が集まって懇親会を開いているところに、親会社から来賓が入室されたとします。
司会者が「みなさん、○○電気の○○総務部長さんがお見えになりました」。
すると、
「ただいまご紹介いただきました、私が○○総務部長です」
――よく聞いてみると、会場に集まった人たちを見下しているように感じませんか。
「部長」のように長がつく肩書きは、敬称です。自分で名乗るときは、「私が総務部長の○○です」と言えば職称(役職名)となりますが、この部長のように「私が○○総務部長です」となると、自分で自分に尊称をつけたことになります。人が言うならまだしも、自分で言うのは非常識と見られます。

また、別の例をあげてみましょう。
たとえば、「課長の○○さんをお願いします」と電話がかかってきたとします。相手は「課長」という職称をまず告げて、さらに「○○さん」と名前に敬称をつけているので問題はありません。
これに対して電話に出た人が「課長の○○ですね」と確認するのはいいのですが、それを受け取った本人が「はい、課長の○○でございます」と出てしまうことがあります。
これは間違いではありませんが、自分で役職名を苗字の前につけて言うと感情として尊大さを示していると見られ印象を悪くします。こういう場合は、「はい、○○でございます」だけでいいのです。
ところで、肩書きと宛名が、「代表取締役社長 ○○○○様」なのに「社長 ○○○○様」としたり、「総務部長 ○○○○様」を「総務部部長 ○○○○様」と勝手に変えてしまう人もいます。役職名も名刺で確認し、正式に表現してください。


白沢節子