ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「仕事」がスムーズに進む言葉のルール

直帰するときは「帰ってよろしいでしょうか」と伺いを立てる
ある会社で、新入社員にお客様へ書類を届けるよう命じたときのことです。その社員が先方の担当者に書類を渡したのが午後六時少し前で、その会社を出たときは終業時間を過ぎていました。
そこで彼は、訪問先から直接帰宅するべく、会社に電話を入れたのです。
電話口に出た上司に、彼は次のように言いました。
「書類は渡しました。6時過ぎなので、このまま帰宅します」
この台詞を聞いた上司は、彼の常識のなさに、あきれ果てたということです。
というのも、いくら退社時間が過ぎているとはいえ、帰っていいかどうかの判断は本来上司がするものです。
それに、いくら終業時刻を過ぎたからといってそれで仕事が終わるというわけではありません。そのあとに仕事をしてもらいたいこともあるのです。そうしたビジネス上のルールを無視して、一方的に「帰ります」では通用しません。
取引先にいて退社時間が過ぎてしまった、というケースはよくあります。こうした際、会社に連絡を入れるのは当然のことです。さらにここで必要なのは「このまま帰ってよろしいでしょうか」と、上司にお伺いを立てる姿勢を持つことです。
単に「帰宅します」という一方的な言い方は、上に対する越権行為で、まったくのルール違反といえます。


白沢節子