ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
「人間関係」がうまくいく言葉のルール
苦情を言うときは“柔よく剛を制す”
企業のコンプライアンス(法令遵守)が叫ばれている昨今ですが、お客様から苦情を言われたときは低姿勢になって、「たいへん申し訳ございません。私どものミスでございまして……」と応対していても、いざ自分が苦情を言う立場になると、とかく高飛車になりがちです。
「昨日中にご連絡をもらえるという話なのに、まだ連絡がないのはどういうわけですか! 早く何とかしてください」
こんな言い方では取引先のかたは非を認めても、「いくら何でもあんな言い方をすることはないじゃないか」と反感を持つことになります。
取引先とは、これからも長いお付き合いをする必要があるのに、気まずい気持ちや反感を持たれてはどうなるでしょうか。取引先と気持ちよくお付き合いするには、苦情を言うときこそ工夫が必要です。
“柔よく剛を制す”ということわざがあります。これは、弱い者でもやり方によっては強い者を負かすことができるという意味です。
つまり、しなやかなものは一見弱そうに見えても、かたいものの鋭い鋒先をうまくそらして、勝ちを得るというたとえです。
優しい言葉はかたくなな心をほぐしてくれます。どんなにイライラしても、
「昨日中にご連絡をくださるというお話でしたが、まだ何のご連絡もいただいておりません。どのようになったのでしょうか? 早くご連絡をいただきたいのですが……」
と丁寧に言えば、お客様は自分の非を心から詫び、「早急に処理しなければ」と思われるのです。
白沢節子
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