ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「人間関係」がうまくいく言葉のルール

「どうも」だけでは挨拶にならない

ごちそうになった日の翌朝、「課長、ゆうべはどうも」、他社を訪問して帰る際に「それではどうも」、個人的に世話になった上司に「係長、このたびはいろいろとどうも」など、「どうも」という言葉をよく耳にします。
考えてみれば、「どうも」は大変便利な言葉です。「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」「お世話になりました」などは省略し、すべてが「どうも」の一語で代用できてしまいます。
最近は挨拶がきちんとできないというより、挨拶をまったくしない人が増えていることを考えれば、たとえ「どうも」でも挨拶するだけましともいえます。
しかし、ビジネスでは、この「どうも」だけに頼っているようでは一人前とはいえません。
厳しい言い方かもしれませんが、多少なりとも口に出して「どうも」程度でも意思表示をすれば、それで挨拶になると考えていたら大間違いです。
挨拶は、人と人との出会いの儀式や結びつきを大切にする言葉です。口から発した以上、最後まできちんと言えるようにしたいものです。「どうも」のあとに、
「失礼いたしました」
「ありがとうございます」
「このたびはお世話になりました」
と、語尾まできちんと言ってはじめて挨拶になると心得てください。
挨拶を手抜きするということは、相手に「敬意を表していない」と見られてもしかたありません。


白沢節子