ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
「人間関係」がうまくいく言葉のルール
目上に「してくれませんか」は不快にさせるだけ
最近の若い人たちのなかには、「……してくれない」という不満を持っている人が多いようです。
どういうことかというと、周りの人たちが自分に対して「仕事を教えてくれない」「話しかけてくれない」など、自分から何かを積極的に働きかけようとはしないで、周囲の人たちが自分に働きかけてくれるのを待っているのです。
上司や先輩、お客様など、自分より目上の人に対して、ものを頼んだり意向を確かめるときに、「係長、この企画書ですが見ておいてくれませんか」「○○さん、すみませんがこのデータの結論の出し方を教えてくれませんか」という言い方をする人が近頃とくに増えてきています。
しかし、この「くれませんか」は一見丁寧なものの言い方のようであって、実は違います。
自分のために相手が何かをしてくれるのを要求する言葉で、本来は目上の人が目下に向かって「……してくれないか」という意味で使います。その反対に、目下が目上の人に使うと相手を不快にさせるだけです。
たとえば、この「くれる」に対しては、「いただく」という丁寧な言葉があります。
「ご覧(になって)いただけませんか」「○○を教えていただけませんか」とお願いするのが、正しい日本語としてのルールなのです。
同様に、ふだん何気なく使っている「これ、課長がくれた書籍です」も「課長からいただいた書籍です」になります。乱暴な言葉遣いをしたばかりに、心まで粗暴な人だと見られないようにしたいものです。
白沢節子
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