ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「仕事」がスムーズに進む言葉のルール

「お連れする」のは部下だけと心得ること

「お~する」「ご~する」をつけて尊敬語にすると、目上の人に使っていい言葉と、そうでないものがあります。
「お連れしました」という言葉は、目上の人やお客様に使うと、対象となる人に対して失礼にあたりますので注意しましょう。

上司が待つ会社の応接室にお客様を案内した際、

× 「大橋様をお連れしました」

 「大橋様をご案内しました」

お客様を応接室などに案内する際に、「○○様をお連れしました」と使っている人は、けっこう多いと思います。しかし、この「お連れしました」という言葉は、文字通りもともと「連れて来る」という意味です。目上の人から目下の人に対してしか使いません。「お連れした」などのようにどんなに敬語化しても、目上の人を案内する際には、不適切な言葉です。わかりやすく言えば、犬を散歩に連れて行くというように、言葉のニュアンスの中に主従関係が生まれてしまいます。 ですから、上司が部下を連れて行くときには、「○○君は、私が連れて行くから」と自然と使えます。お客様や上司など目上の人に対しては、「ご案内しました」という言葉を使いましょう。

渡辺 由佳(フリーアナウンサー・マナー講師)