ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「仕事」がスムーズに進む言葉のルール

自分より立場が下の人でも命令口調は避ける

自分より立場が下の人に対して依頼する際、ついつい命令口調になりがちです。しかし、「依頼通りに動いてもらいたい」ということがゴールだとしたら、気持ちよくやってもらったほうがお互いにとって余計なストレスになりません。部下や後輩に何かを頼むときも、語尾を疑問形にするだけで、たちまち感じのよい言い方に変わります。

職場の後輩に何かをとってもらいたいとき、

× 「それ、とって!」

 「それ、とってもらえるかな?

部下に宅配便をお願いする際、

× 「この荷物、宅配便に出してきて!」

 「この荷物、宅配便に出してきてもらえる?

職場は組織である以上、上下関係があります。しかし、立場の違いをどれぐらい言葉で表現しても許されるかというと、「その職場の雰囲気によってもかなり違ってくる」というのが正直なところかと思います。 ただし、やはり会社の上司であっても、部下を尊重し慮る気持ちを表現することは大切です。いつまでもいい関係を保とうと思ったら、「○○して」という命令口調ではなく、「○○してもらえる?」という疑問形の言い方をしたほうが、相手もスムーズに行動に移しやすいものです。「○○してもらえる?」という言い方は、語尾が疑問形になっているので、相手の意志を確認する気持ちがこちら側にある、ということもきちんと伝わります。そのちょっとした語尾の違いで、相手を尊重した言葉になるのです。人間関係は、日々のちょっとしたひと言の積み重ねによって形づくられていきます。

渡辺 由佳(フリーアナウンサー・マナー講師)