ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
「仕事」がスムーズに進む言葉のルール
「何様だ」と感じさせる言い回しには要注意
いくら「そんなつもりではなかった」と思っても、言葉は聞き手の受けとめ方しだいでニュアンスが変わってしまいます。言った本人が意図したことではなくても、知らず知らずのうちに上から目線の言葉を上司や先輩に使っていることのないように注意しましょう。
× 「この企画書、いいとこ突いてると思いますよ!」
× 「この企画書、なかなかよくできてますね」
○ 「こちらの企画書は、着眼点がすばらしいと思います」
○ 「今回の企画書も、さすがですね。勉強になります」
さて、上の2つの悪い例を読んで、「ちょっとこれ、まずいんじゃない?」と思う人と「どうしていけないの?」という人に分かれるかもしれません。 上の4つの例は、いずれも上司をたたえたり感謝の気持ちを伝えようとしていることに変わりはありません。しかし、悪い例にはどこか変な感じが……。それは、悪い例がすべて上から目線に聞こえてしまうものばかりだからです。なぜ、上から目線になってしまっているのか。それは、「いいところを突いている」「よくできている」は、話し手の評価を含んだ言葉だからです。評価する言葉というのは、とかく上から目線で言っているように聞こえてしまうので要注意です。目上の人に「よかった」という内容を伝えるときの2大ほめ言葉が、「すばらしいです」「勉強になりました」です。この2つの言葉は決して上から目線の印象を与えない言葉なので、どう受け答えしてよいかすぐにわからないときは、このどちらかを使ってみてください。
× 「ふん、ふん、なるほど」
× 「なるほどですねー」
○ 「はい、わかりました」
ある雑誌の特集で「部下から言われたくない言葉のランキング」に「なるほど」という言葉が入っていました。上司が懸命に説明しているところに部下から「なるほど」と言われると、なんだか上から目線で言われている感じがするというのがその理由でした。 部下としては、「よくわかった」という気持ちを伝えたいのかもしれませんが、相手はそうは思わないのが言葉の難しいところです。私の話し方のクラスで、「では、『なるほど』の代わりになる言葉はありますか?」と受講生に聞かれて、結構悩みました。「なるほど」は「なるほど」なので、なかなか代わりになる言葉がありません。そんな中、最近、苦肉の策として世間で使われはじめたのが、「なるほどですねー」という言葉です。「ですねー」がつけば、丁寧になるかというとそうでもなく、かえって「変な日本語」に聞こえてしまいます。上司から説明を受けているときは、「なるほど」よりも、神妙に「はい、わかりました」「かしこまりました」「承知しました」と返事をしたほうが好感を持たれるでしょう。
× 「また飲みに行きましょう」
○ 「また飲みに連れて行ってください」
○ 「またご一緒させてください」
「また飲みに行きましょう!」は明らかに、相手を同列に見てしまっている表現です。この表現は、先輩や上司には使えません。 このようなケースでは、「また飲みに連れて行ってください」、さらによいのが「またご一緒させてください」というのが、礼儀をわきまえた表現です。伝えたい内容を、どのような言葉を使うと誤解なく相手に届くか。とりわけ目上の人に対しては、口に出す前に一度考える習慣をつけましょう。
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