ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

「仕事」がスムーズに進む言葉のルール

「よくわからなくて……」は仕事ができない人と思われる

取引先やお客様などと仕事の打ち合わせをしていて、もしわからないことがあっても、安易に「わからなくて……」という言い方をしてしまうと、会社の信用も失いかねません。しかし「勉強不足で申し訳ございません」とお詫びしたあと、すぐに調べて報告すれば、むしろ挽回するチャンスとなります。ピンチになるか、チャンスになるかは、お詫びする表現ひとつで変わってきます。

取引先との打ち合わせで、自分の専門分野が説明できなかった際、

× 「すみません、その点はまだよくわからなくて……

 「勉強不足で申し訳ございません。すぐに調べます」

お客様や取引先との打ち合わせでは万全の準備で臨みたいものですが、時にはわからないことも出てくるものです。そのようなときにどう対応をするかで、社会人としての姿勢や熱意が測られています。 たとえば、「すみません、そこはまだよくわからなくて……」と言ってしまうと、やはり仕事という視点から見れば、「もっときちんと準備をして臨むべきだろう」ととられてしまいます。そんなとき、「勉強不足で申し訳ございません。すぐにお調べして、本日中にご連絡させてください」と言えれば、「やる気がある」とプラスの評価に変わる可能性があります。 まず、「自分の仕事に関わることで知らないことがあることが、相手に対して失礼である」ということへのお詫びを。そして、「わからないことでもすぐに調べて連絡する」という姿勢を。この2つをきちんと言葉で説明できるかどうかで、相手からの信頼は大きく変わってきます。

お客様との商談中に「もう少し値段を下げられないか」と言われた際、

× 「私だけでは、決められないんです。上司に相談してからでもいいですか」

 「私の一存では、判断いたしかねますので、上司と相談いたしまして、お返事させていただいてもよろしいでしょうか」

会社は組織社会なので、お客様との交渉でも簡単に一社員の裁量では決められないこともあります。そんなときでも、「私だけでは決められないんです」という言い方をしてしまうと、相手の目にはいかにも頼りなく映ってしまいます。 このような場合は、「私の一存では判断いたしかねますので、上司と相談いたしまして、お返事させていただいてもよろしいでしょうか」と伝えたほうがいいでしょう。同じ内容なのに、「私の一存」「判断いたしかねます」「お返事させていただく」の3つのフレーズによって、しっかりとした対応に聞こえます。

渡辺 由佳(フリーアナウンサー・マナー講師)