非上場株式等の相続税の納税猶予・免除の一般措置は、2018年度税制改正により拡充された特例措置と併存する、従来からある事業承継税制である。

具体的には、相続によって、後継者（経営承継相続人）が先代経営者から円滑化法の認定を受けている非上場株式等を取得した場合に、その後継者が負担（納付）すべき相続税額のうち、その議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分に係る課税価格の80％に対応する相続税の納税が猶予され、後継者の死亡等により納税が猶予されている相続税の納付が免除されるものである。

議決権株式総数の3分の2までの部分について、その課税価格の80％ということは、議決権株式総数からみると、納税猶予割合は最大で約53％となる。最大でも全体の半分強であるから、場合によっては、後継者は猶予対象外の株式等について多額の相続税の負担を強いられる可能性がある。

なお、一般措置については適用期限等はなく、恒久的な制度となっている。原則として、2017年12月31日までに行なわれた相続には一般措置が適用される。
2018年1月1日以降の相続については、一般措置と特例措置の2本立てということになる。