ビジネスわかったランド (税務)

税額計算と申告

仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除

(1)制度概要

すでに提出した申告書に記載した税額が過大であった場合等は、納税地の所轄税務署長に対し、更正の請求をすることができる。更正の請求を受けた税務署長は、提出済みの申告書と更正の請求の内容を調査し、税額が過大であったと認められる場合には、過大に納付された税額を還付することになる。これを減額更正という。
減額更正は、税務調査において、すでに提出した申告書に記載した税額が過大であったことが判明した場合にも行われる。この場合も、過大に納付された税額は還付される。
このように、減額更正があった場合には、過大に納付された税額は直ちに還付されるのが原則である。ただし、過大納付となっていた原因が仮装経理(いわゆる粉飾決算)にある場合には、法人自らが意図的に過大納付していたことにほかならないことから、過大に納付された税額は直ちに還付されない。仮装経理による過大納付分は、将来の5年間に生じる法人税額から順次控除することで精算されることになる。これが、仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除制度である。

(2)控除する期間

税務署長による更正があった日の属する事業年度開始の日から5年以内に開始する事業年度の法人税額から控除される。

(3)還付されるケース

  1. 更正の日の属する事業年度開始の日前1年以内に開始する事業年度の法人税額で、その更正の日の前日までに確定しているものがある場合には、その法人税額に達するまでの金額は直ちに還付される。
  2. 更正の日の属する事業年度開始の日から5年を経過する日の属する事業年度の申告期限が到来した場合に、控除しきれなかった金額があるときは、その控除しきれなかった金額は還付される。
  3. 更正の日の前日までの間に、更正の対象となった法人について、合併による解散・残余財産の確定等の事実が生じているときは、過大納付していた税額は直ちに還付される。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています