ビジネスわかったランド (税務)
損失
青色欠損金の繰戻還付
(1)制度概要
なお、この繰戻還付制度は、通常の事業年度と解散等の事実が生じた事業年度とで、適用可能な法人の範囲が異なっている((3)・(4)参照)。
(2)還付請求ができる金額
還付請求できる金額=
還付所得事業年度(※2)の所得に対する法人税額
×
欠損事業年度(※1)の欠損金額(※3)還付所得事業年度の所得の金額
(※2)還付所得事業年度:欠損事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度をいう
(※3)分母の金額を限度とする
なお、還付される金額は、法人が還付請求書に記載した金額が限度となる。
(3)通常の事業年度の繰戻還付
通常の事業年度において繰戻還付請求ができる法人は、中小法人等に限定されている。
期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である法人をいう。ただし、次に掲げる法人を除く。
◆大法人(期末の資本金の額または出資金の額が5億円以上である法人)に発行済株式等の全部を直接または間接に保有されている法人
◆完全支配関係のある複数の大法人に発行済株式等の全部を直接または間接に保有されている法人
・還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について、連続して青色申告書である確定申告書を提出していること
・欠損事業年度の青色申告書である確定申告書を、その提出期限までに提出していること
・還付を受けようとする法人税の額、その計算の基礎その他一定の事項を記載した還付請求書を、欠損事業年度の申告書の提出と同時に提出していること
(4)解散等の事実が生じた事業年度の還付請求
解散等の事実が生じたすべての法人において、繰戻還付請求が可能である。
解散等の事実とは、以下の事実をいう。
●解散(適格合併による解散を除く)
●事業の全部の譲渡
●更生手続の開始
●事業の全部の相当期間の休止または重要部分の譲渡で、これらの事実が生じたことにより青色欠損金の繰越控除の規定の適用を受けることが困難となると認められるもの
●再生手続開始の決定
下記の事業年度において欠損金が生じた場合に、その事業年度を欠損事業年度として繰戻還付請求をすることができる。
・解散等の事実が生じた日の属する事業年度
・解散等の事実が生じた日前1年以内に終了した事業年度
解散等の事実が生じた場合には、その後の事業年度において欠損金の繰越控除の適用を受けることが困難であることが想定されることから、解散等の事実が生じた日前1年以内に終了した事業年度において生じた欠損金についても、繰戻還付の対象とするものである。ただし、欠損金の繰戻しができるのは、欠損事業年度ごとに、その各欠損事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度に限られる。
3.適用要件
・還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について、連続して青色申告書である確定申告書を提出していること
・還付を受けようとする法人税の額、その計算の基礎その他一定の事項を記載した還付請求書を、解散等の事実が生じた日以後1年以内に提出していること
著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/
※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています
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