ビジネスわかったランド (税務)

収益特例

受贈益、債務免除益

(1)受贈益

【1】受贈益の取扱い

法人税法上は、原則として時価で取引を行なったものとして課税所得を計算することとしている。そのため、法人が無償または低額で資産の譲受けや役務の提供、経済的利益の供与を受けた場合には、時価との差額が受贈益として益金の額に算入される。

たとえば、法人が役員から資産を低額で譲り受けた場合には、その資産の帳簿価額は時価が付されることとなり、時価と譲渡対価との差額が受贈益として課税対象となる。また、譲渡対価が時価の2分の1未満である場合には時価で譲り渡したものとみなして、その役員に対し譲渡に係る所得税が課せられることになる。


【2】広告宣伝用資産の受贈益

広告宣伝用資産の受贈益については、受贈益の内容に応じて次のように取り扱われる。
資産 取扱い
専ら広告宣伝に使用される看板、ネオンサイン、どん帳など 受贈益に対する課税はなし
メーカー等の商品や社名が表示され、広告宣伝を目的としていることが明らかな自動車・陳列棚・陳列ケース・冷蔵庫など メーカー等の取得価額の3分の2相当額から当社の負担額を控除した金額が受贈益として課税される

(2)債務免除益

買掛金や未払金、借入金など債務の免除を受けた場合には、その債務免除の金額が益金の額に算入される。

(3)完全支配関係のある法人からの受贈益、債務免除益

完全支配関係(法人による完全支配関係に限る)のある法人からの受贈益、債務免除益については、その相手方で寄附金として損金不算入の規定の適用を受けるものである場合には、益金の額に算入されない。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています