ビジネスわかったランド (税務)

減価償却

減価償却資産の除却損

(1)除却損計上の原則

税務上、減価償却資産の除却損は、現実にその資産が廃棄された事業年度でなければ損金算入が認められない。期末日後、決算作業中に減価償却資産の廃棄を決定し、会計上は除却損を計上する処理も見受けられるが、実際の廃棄は期末までには行なわれていないため、税務上は除却損の損金算入は認められない。

減価償却資産を廃棄した場合は、廃棄業者からの廃棄証明など、廃棄の事実とその日付を確認できる書類を用意しておくことが重要となろう。特に、期末間際で除却した場合には、注意が必要である。

なお、「3.取得価額により異なる取扱い」に記載のとおり、一括償却資産については3年均等償却による損金算入しか認められていない。会計上、資産として計上している一括償却資産を廃棄し除却損を計上した場合でも、税務上はあくまでも3年で均等償却を継続する必要がある。

(2)有姿除却

次に掲げるような固定資産については、たとえ廃棄等をしていない場合であっても、その資産の帳簿価額から処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができる。
  1. 使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
  2. 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、その製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことが、その後の状況等からみて明らかなもの

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています