ビジネスわかったランド (税務)

税額計算と申告

青色申告

(1)青色申告制度の目的

法人税は申告納税方式であることから、納税者自らが、法令に従って正しい所得計算・税額計算を行う必要がある。そのためには、納税者における帳簿書類の整備が必須となり、これを促進する制度として青色申告制度が設けられた。
すなわち、法人が一定の帳簿書類を備え付け、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、青色申告書の提出ができることとし、青色申告法人に対しては、税金計算上の各種特典を設けることにしたのである。

(2)青色申告の特典

青色申告の特典には様々なものがあるが、代表的なものは以下のとおりである。

1.欠損金の繰越控除
2.欠損金の繰戻還付
3.各種特別償却・特別控除の適用
4.推計による更正・決定の禁止 等

(3)青色申告の承認申請

以下の承認申請期限までに、納税地の所轄税務署長に対し、青色申告の承認申請書を提出しなければならない。
  1. 原則
    青色申告の承認を受けようとする事業年度開始の日の前日まで
  2. 法人の設立事業年度の提出期限
    設立の日以後3か月を経過した日と、設立事業年度終了の日とのうち、いずれか早い日の前日まで
  3. 法人の設立事業年度が3か月に満たない場合の、翌事業年度の提出期限
    設立の日以後3か月を経過した日と、当該翌事業年度の終了の日とのうち、いずれか早い日の前日まで
税務署長は、原則として、その申請をした法人に対し承認または却下の旨を書面により通知することとされているが、適用を受けようとする事業年度終了の日までに承認または却下の処分がなかったときは、その日において承認があったものとみなされる。

(4)青色申告の承認の取り消し

税務署長は、青色申告の承認を受けた法人に次のいずれかの事実がある場合には、その事実があった事業年度までさかのぼって、青色申告の承認を取り消すことができることとされている。

●帳簿書類の備付け、記録または保存が法令で定めるところに従って行われていないこと

●帳簿書類に関して、税務署長の指示に従わなかったこと

●帳簿書類に取引の全部または一部を隠蔽し、または仮装して記載したこと等、その記載した事項の全体について真実性を疑うに足りる相当の理由があること

●確定申告書を提出期限までに提出しなかったこと

青色申告の承認の取消しがあった場合には、その取り消された事業年度開始の日以後にその法人が提出した申告書は、白色申告書とみなされる。すなわち、青色申告の各種特典は受けられないことになる。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています