ビジネスわかったランド (税務)

税務調査

税務調査終了(事後対応)
税務調査最終日には調査内容の総括が行われるが、調査内容につき上席などへの報告、署内での協議後、総括が行われることもあるため、調査最終日にすべての調査結果が出ないこともある。この場合には、後日あらためて調査結果の報告を受ける。

イ) 申告内容に誤りがない場合

調査の結果、法人の税務処理が適正に行われており、申告内容に誤りがないと認められる場合には、その旨が書面により通知され、税務調査は終了となる。この通知を一般に是認通知と呼ぶ。


ロ) 申告内容に誤りがあると思われる場合

一方、調査の結果、申告内容に誤りがあると指摘された場合には、その内容に応じて、次のような対応を取ることになる。
  1. 明らかな誤り

    商品の引渡しが終わっているにもかかわらず売上が計上されていないなど単純な収益計上漏れや費用が二重計上されていた場合、適用要件の解釈を誤り、本来適用を受けることのできない優遇措置を受けていた場合などは、明らかに誤りであるため、指摘を受け入れる必要がある。この場合には協議の余地はない。
  2. 見解の相違

    たとえば、役務提供が終わっているか否か、その支出は接待目的で行われたか、寄附行為に該当するか否かなど、その取引の事実につき納税者と調査官で見解が分かれる場合には、それぞれの見解を示したうえ、その税務上の取扱いを協議することになる。協議の結果、納税者の見解が正しく、納税者がその見解に基づき当初申告で適正に処理しているのであれば指摘を受け入れる必要はない。調査官の見解が正しいのであれば、当初申告の処理は誤りということになり、指摘を受け入れることになる。

    見解の相違は、調査最終日に決着のつくものでもない。両者の見解を検証したうえで、後日あらためて協議されることになり、決着まで長期にわたる場合もある。
  3. 修正の方法

    申告内容の修正は、「修正申告」または「更正決定」のいずれかにより行われる。

    イ) 修正申告

    納税者が自ら申告内容の誤りを認め、納税者自身が修正申告書を作成し、税務署長に提出する。修正申告を行うと、その内容につき後から異議を申し立てることはできない。指摘事項がある場合には、調査官はまず修正申告を勧奨してくるが、必ずしもこれに応じる必要はない。その内容を充分理解しないまま、修正申告に応じてしまうと、前述のとおりその後において異議を申し立てることはできないため、修正申告の場合には必ずその内容を確認し、納得のうえで行うようにしたい。

    なお、調査官は納税者に対し、修正申告後は異議申立てができない旨を書面にて説明する義務があるため、この手続きが必ず行われたかも確認する必要がある。


    ロ) 更正決定

    納税者が修正申告に応じない場合などは、税務署長が課税所得、納税額を決定し、納税者にその内容を通知するが、このことを更正決定という。更正決定の場合には、その内容に納税者が納得できないときは、異議申立てを行うことができる。異議が受け入れられない場合には、納税者は国税不服審判所に審査を請求し、さらに国税不服審判所での裁決に不服がある場合には裁判で争うことになる。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています