ビジネスわかったランド (税務)

寄附金・交際費

交際費等の範囲
法人が支出する交際費等は、冗費を節約して法人の内部留保を充実するという観点から、原則としてその全額が損金不算入とされている。ただし近年は、景気浮揚等の政策的観点から、接待飲食費のうち一定部分は損金の額に算入できるなどの税制改正が行われている。
法人税法上の交際費等は、一般的な接待行為にかかわる支出に限定されておらず、より広い範囲のものが含まれることに留意する必要がある。

(1)交際費等の定義

法人税法において交際費等とは、法人が支出する費用のうち、以下の3要素を満たす費用をいう。
 
  1. 交際費、接待費、機密費その他の費用であること
    要するに、支出する名目や処理する勘定科目は交際費等の判定に影響しないということである。
  2. 法人が、得意先、仕入先その他事業に関係のある者等のために支出する費用であること
    その他事業に関係のある者には、法人と直接的に取引関係のある者だけでなく、間接的にその法人の利害に関係のある者や、法人の役員や従業員、株主等も含むこととされている。
  3. 接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用であること
    ここで挙げられている「接待・供応・慰安・贈答」は、どのような行為が交際費等に該当するのかを判定するためのキーワードである。

(2)交際費等に含まれるもの

以下のような場合も、接待等の行為があった事業年度の交際費等に含めて、後述する損金不算入額の計算を行うこととされている。
 
  1. 取得価額に算入した交際費等
    固定資産等の取得価額に含まれている交際費等で、その事業年度の損金の額に算入されていないものであっても、支出の事実があった事業年度の交際費等に含まれる。
  2. 仮払経理・未払経理した交際費等
    交際費等の経理方法にかかわらず、接待・供応・慰安・贈答その他これらに類する行為があった事業年度の交際費等に含める。
  3. 間接的に支出した交際費等
    2以上の法人が共同して接待等を行った場合の分担金や、同業者団体等が接待等を行うための負担金の支出も、その法人が行った交際費等の支出に含まれる。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています