ビジネスわかったランド (税務)

損失

棚卸資産の評価損

(1)棚卸資産評価損の損金算入が認められる場合

法人が有する棚卸資産につき、以下に掲げる事実が生じたことにより、その棚卸資産の価額が帳簿価額を下回ることとなった場合において、その棚卸資産の評価換えをして損金経理により帳簿価額を減額したときは、減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の帳簿価額と、評価換えをした日の属する事業年度終了の時におけるその棚卸資産の価額との差額に達するまでの金額を、評価換えをした日の属する事業年度の損金の額に算入する。
  1. 災害による著しい損傷
  2. 著しい陳腐化(棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず、経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しないと認められる状態であること) 【例1】季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができないことが既往の実績その他の事情に照らして明らかである場合 【例2】型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことにより、その商品が、今後通常の方法により販売することができないようになった場合
  3. 上記に準ずる特別な事実
    【例】破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等により、通常の方法によって販売することができないようになった場合
なお、棚卸資産の時価が、単に物価変動、過剰生産、建値の変更等の事情によって低下しただけでは、評価損の計上ができる事実には該当しないこととされている。

(2)「資産の価額」とは

「評価換えをした日の属する事業年度終了の時における資産の価額」とは、その資産が使用収益されるものとして、その時点において譲渡される場合に通常付される価額をいう。したがって、スクラップとしての処分価額や正味実現可能価額は「資産の価額」には該当しないため、注意が必要である。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています