ビジネスわかったランド (税務)

リース取引

平成20年3月31日以前に契約締結するリース契約
法人が平成20年3月31日以前に契約を締結する賃貸借取引は、原則として資産の賃貸借として取り扱うが、一定の要件に該当するものは売買取引または金融取引として処理を行う。

(1)売買取引となるリース取引

1.法人税法上のリース取引のうち一定のもの
法人税法上のリース取引(※)のうち次のいずれかに該当するリース取引は、資産の売買が行われたものとして取り扱われる。

●リース期間の終了時または中途において、リース資産が無償または名目的な対価で賃借人に譲渡されるもの

●リース期間の終了時または中途において、リース資産を著しく有利な価額で買い取る権利がその賃借人に与えられているもの

●リース資産がその使用可能期間中その賃借人のみによって使用されると見込まれるもの

●リース資産の識別が困難であると認められるもの

●リース期間がリース資産の法定耐用年数に比べ相当の差異があるもので、賃貸人または賃借人の法人税または所得税の負担を著しく軽減すると認められるもの

(※)法人税法上のリース取引(ファイナンス・リース取引)とは、賃貸借契約のうち次のすべての要件を満たすものをいう。

イ)中途解約禁止
リース期間の中途において解約が禁止されているものであること、または中途解約する場合には賃借人が未経過期間に対応するリース料の額の合計額のおおむね全部(原則として90%以上)を支払うこととされているものなどであること。

ロ)フルペイアウト
リース資産からもたらされる経済的な利益を賃借人が実質的に享受することができ、かつ、リース資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされている(リース料の合計額が、その資産の取得に通常要する価額のおおむね90%を超える場合)ものであること。

2.賃貸人の処理
賃貸人は、その資産の引渡し時に当該リース資産を譲渡したこととされる。


3.賃借人の処理
賃借人は、その資産の引渡し時に当該リース資産を取得したこととされ、リース料総額(利息相当分を合理的に区分できる場合には利息相当額を控除した金額とすることも可)と事業供用のための付随費用の合計額が当該リース資産の取得価額となる。
当該リース資産が減価償却資産である場合には、その取得価額は減価償却により費用化されることになるが、償却限度額の計算はその資産の種類に応じて選定した償却方法により行う。この場合において、損金経理したリース料は償却費として損金経理をした金額に含まれる。

(2)金融取引となるリース取引

1.金銭の貸付け
法人が譲受人から譲渡人に対するリース取引を条件に行う資産の売買(セール・アンド・リースバック取引)を行なった場合において、その取引が実質的に金銭の貸借であると認められる一定のものについては、その売買はなかったものとされ、かつ、その譲受人(賃貸人)からその譲渡人(賃借人)に対する金銭の貸付けがあったものとされる。


2.譲受人(賃貸人)の処理
譲渡人に支払ったその資産の譲渡対価は貸付金として取り扱われることになり、譲渡人から受けるリース料の額のうち貸付金の元本に相当する部分の金額は、その貸付金が回収されたものとされる。


3.譲渡人(賃借人)の処理
譲受人から受けたその資産の譲渡対価は借入金の額として取り扱われ、譲受人に支払うリース料の額のうち、借入金の元本に相当する部分の金額は、その借入金を返済したものとされる。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています